白いカーテンの部屋で、並べたクリスタルボウルを奏でる mogmin.
Overtones

ひとつの音の中には、
いくつもの音がいる。

クリスタルボウルを鳴らしていると、

「今、違う音が聴こえた」

と言われることがあります。

私も、音を聴いているとき、
表面に聴こえている音より、その奥にいる音を追いかけていることがあります。

ひとつの音の中には、
基音とともに、さまざまな周波数の成分が含まれています。

それが、倍音です。

同じ「C」という音でも、
透明に伸びていくものもあれば、
奥から別の声が立ち上がってくるようなものもある。

厚みがある音。
光のように広がる音。
遠くまで残る音。

クリスタルボウルには、
本当に一つひとつ違う表情があります。

だから私はボウルを選ぶとき、
チューナーに表示される数字と同じくらい、
その音の奥を聴きます。

鳴らした瞬間の音。
少し経ってから現れる音。
消えていくときに残る音。

そして、ほかのボウルと重ねたときに
何が現れるのか。

そこが、とても面白い。

一つでは聴こえなかったものが、
二つの音が重なった瞬間に現れることがあります。

さらにもう一つ加えると、
また違う響きが立ち上がる。

人と人が出会うことで、
その人の知らなかった表情が現れるように、
音にもそんな瞬間があるように感じています。

ひとつの音の中には、
いくつもの音がいる。

そして、その音たちにもまた、
響きあう相手がいる。

倍音を聴いていると、
音の世界は、私が思っているよりずっと広い。

だから私は、
いつまでも聴いていたくなるのだと思います。